10数年前に亡くなった私の父はヴァイオリンとヴィオラを弾いていました。
戦後しばらくたって18歳で始めたそうです。その後ご縁があって、故朝比奈隆氏の創設された関西交響
楽団に入り、ヴァイオリンを弾いていました。当時はヴァイオリンを弾く人は少なく、アマチュアオケのような
感じだったそうです。
それから大阪フィルハーモニー交響楽団に変わった時にヴィオラを弾くことになったようです。
その後3女の私が生まれて転職しました。それから近所の子供にヴァイオリンを教えたり、ご縁があって
朝比奈さんのご子息の千足さんが監督されている、神戸フィルハーモニックで演奏活動をさせて頂いたり
しました。
私はヴァイオリンは子供の頃に少し触った程度で、10歳ぐらいからピアノを習い始めました。
父の知人のご紹介で、スズキメソードのピアノの先生でした。高校1年生でやめてしまいましたが、
2歳上の姉が先に習っていたので教本の曲はほとんど知っていました。
エレクトーンの教室に通いました。練習用のチケットがあり、そこに行けばエレクトーンを触れたのです。
週に1回は練習に行き、レッスンを受けられるのでとても楽しかったです
神戸に帰ってからはエレクトーンからジャズピアノに転向して、レッスンを受けました。
なぜかというと、私は音大に行っていないし、楽典を勉強しなかったからです。
その時は自分でもはっきりわからずになんとなく変えたのですが、その後ボストンのバークリー音楽
学校出身のジャズピアニストの先生のお宅にレッスンに行くようになり、そこの教材を使った本格的な
レッスンを受け始めると、本当にいろんなことを、頭と耳と手で覚えないといけないということがよく
わかりました。
コードやスケール、アドリブを教会旋法で考えるといったことなどを3年半教えて頂きました。
いまだに理論がジャズで、クラシックの作曲法とは違うようです。ドイツ音名もいい加減に覚えないと
オケで指揮者に言われた時に困るなあと思っています
なので、ヴァイオリンを本格的に始めたのは15,6年前だと思います。
子供が生まれてヴァイオリンを習わせようと思いました。3歳の子供がヴァイオリンを持って立つだけ
でも大変なことでした。30分のレッスンでも10分できればいい方で、最初はずっと泣いていました。
あまりにももったいないし、うちの前にレッスンに来ていたお母さんもヴァイオリンを持ってこられていた
ので、父が亡くなった後、誰も弾かなくなったヴァイオリンを持っていきました。
その後子供が入院することになりやめたものの、外泊で戻ってきたときにストレス解消のために
弾き続けていました。
それからいろんな先生方に出逢い、レッスンを受け、オケに入ったり室内楽をしたり。
2012年から弦楽アンサンブルも始め、音楽三昧の生活になっています。
下の子も中学生になったので、これからの人生を弾けなくなるまでヴァイオリンを弾きたいなと思って
います
私がいつも思うのは、ヴァイオリンを弾いているのは、子供の頃から聞いていた父親のレコードを
再現していたいからなのではないかということです。
そうすることで自分のルーツに帰り、心が休まるのではないかと思っています。
今使っているヴァイオリンは、亡父のものではなく、自分で購入しました。
弾けなくなった高齢の男性が楽器屋さんに持って来られたのを譲っていただきました。
チェロをされていた方だそうで、太い魂柱が入っていてすごい音がしていたのを何日も通って調整して
頂きました。
この楽器にも愛がいっぱい込められているのだなあと感じています
今日はとっても長くなりましたが、読んでくださってありがとうございます